お互いに和やかに、優しくなれた

別居婚が始まって以来、スマホは便利だなって思うようになった。妻とは、おはようとおやすみ以外にも「今取材が終わりました」とか、こまめに連絡をとっているの。既読にならないと心配したり、付き合いたてのカップルみたいだよね。

僕らはもともと仲がいい。射撃やゴルフも一緒にやってきたし、妻は僕の事業を支えてくれた。言い争うこともほとんどないし、あったとしても次の日に持ち越すことがない。膀胱がんになった時は、手術で男性機能を失うことを知って逡巡しました。自分の場合は命を優先して手術を受けたんだけど、信頼してるもの同士なら広義の意味ではセックスに近い結びつきが持てるってわかったんだ。それはお医者さんも知らなかったことだよ。

ジャックラッセルテリア愛犬ミレジュちゃんと小倉智昭さん
好きなものに囲まれて。今年10歳のジャックラッセルテリア愛犬ミレジュちゃんと(写真提供◎オールラウンド)

不思議なもので、一緒の家に住んでいた時よりお互いがお互いに優しいの。外食も前はほとんど行かなかったけれど、今は外でご飯を食べたり、手を繋いだりしているよ。それに関しては良かったし、妻が今までやってきてくれたことに対して感謝しています。
ただ血圧が高い夜なんかはちょっと不安になるよね。そんな日はセコムのブザーを胸にかけて寝る。

徒歩15分のところに住んでいるマネージャーに電話しようかなと思ったりもするんだけど、鍵を渡していないから意識を失ったら家に入ってきてもらえない。緊急事態に助けてもらうためにも、そろそろ鍵を渡したほうがいいかなぁと考えているよ。妻の住んでいるところは車で1時間だから、助けを呼んでも時間がかかりすぎる。