僕がいた「星城高校」のチームの特徴

「日本一」を目標にしているチームがどんな雰囲気で練習しているのか。
みんなはどんな姿を思い浮かべるだろう。

厳しい監督やコーチのもとでピリッとした空気感のなかで練習している様子を想像する人も多いかもしれない。

では、星城高校はどうだったか。
むしろ、その真逆だった。

監督の竹内裕幸(たけうちひろゆき)先生は厳しいときは厳しいけれど、頭ごなしに叱りつける人ではなかった。
先輩と後輩の上下関係もほとんどなくて、先輩は優しいし、学年に関係なく全員の仲が良かった。

練習も先生が考えたメニューだけでなく、選手主導で日々練習するチームだった。
バレーボールをするうえで、チームとして目標を叶えるために必要な決まり事はあるけれど、余計なルールは省いたチームだった。

象徴的だったのが練習着や髪型だ。
当時は全国の強豪といえば髪は短髪で、練習着も全員が決まったものをそろいで着るチームが大半だった。

多少違っていたとしても、色の指定はあって、時折チームカラーが赤や黄色で派手な練習着のチームもいたけれど、ほとんどは白や黒。

一方で、練習着も髪型も一切決まり事のない星城は、「派手だ」とか「チャラチャラしている」と思われていたはずだ。

でも僕は、練習着や髪型がバレーボールの技術向上や勝敗にかかわっているとは思わない。
見た目は派手に映ったかもしれないけれど、何より僕たちは日々、妥協せずに厳しい練習をしてきたと胸を張ることができる。