結果は自分に返ってくる<自主性>を重視した練習

<自主性>と聞けば、人によってとらえ方はさまざまかもしれないが、つねに監督から指示を受けて、いわれるようにやらないと怒られる環境とは真逆で、サボろうと思えばサボることだってできる。

でも、サボれば確実に自分に返ってくる。
象徴的なのが星城高の伝統的な練習でもある30分走だ。

その名のとおり30分間、学校の校庭をひたすら走るメニューだ。
走るのが得意な選手もいれば苦手な選手もいるし、その日の体調もある。

だから「必ずこの距離を走りなさい」と決められるのではなく、それぞれの判断に委(ゆだ)ねられる。
決められているのは「30分」という時間だけだ。

そこで毎日全力で走って、自分の限界に挑戦するか、面倒だからと手を抜いて走るかは自由だ。
でも、結果は自分に返ってくる。

頂を目指して』(著:石川祐希/徳間書店)

だから、むしろ僕は強制されるよりもよほど厳しい環境だったと今でも思っている。
ボール練習も同じだった。

基本的には竹内先生から、今はこれが必要だというメニューが提示されるが、そこに加えて僕たち選手が練習内容を加えていく。

スパイクをもっとやったほうがいい、この間の試合でディフェンスがよくなかったからディフェンスの練習をしたい、と考えれば自分たちでメニューを考えて、実際にボールを打つのも竹内先生ではなく選手同士で行う。

入学したばかりのころは、どんな大会があるのか、どういうサイクルで回っているのかを理解していなかった。

でも、日々練習していくなかで、インターハイや東海大会、国体(国民体育大会)や春高などさまざまな大会につながる県予選や地区大会はほぼ1年をとおして開催されることがわかっていった。

それにともない、最初は全国ベスト8を目標にしていた僕も、自分たちで考えながら強くなるために練習する星城高校で、少しずつ高い目標を抱くようになっていった。