若いカップルの言葉

そういえば以前、こんなことがありました。

わたしのイラストについての講演会が終わったあとで、20代ぐらいの若いカップルの二人に、「セツコさんの次の本はどんな内容ですか」って聞かれたんですよ。

『[ミラクル新書版]孤独ぎらいのひとり好き』(著:田村セツコ/興陽館)

わたしは「孤独ぎらいのひとり好き」ってテーマを考えているって言ったのね。(その本は、『孤独をたのしむ本』というタイトルで出版されました!)

そうしたら、二人ともまったく同時に、「あ、それ、私のことです」って言ったんです。

それも呟くようにそれぞれが口にしていたんです。自然に自分の気持ちが漏れだしているようでした。

仲よさそうに見える二人から意外な反応があって、すごく驚きました。

「えっ、そうなの? あなたたち、そんなに仲よさそうなのに?」と聞いたら、女の子も男の子も二人ともなんのためらいもなく、「孤独は、嫌いだけど好きです」だって、そう言うんです。

これ、すごく印象的でした。

本当に人間って矛盾していて、欲張りで、両方ほしいのかなって思いました。