全身黒で真っ赤な口紅をつけた「罰当たりコーデ」

それから数日後、気をとりなおして、年齢を重ねるにつれ増えた圧倒的な数を誇るモノトーンの服に、手をつけることを決めました。景気づけに濃いめのコーヒーを2杯飲みます。夜遅くになっても終わるまで寝るものか。

ベッドの上に積み上げた白、黒、グレー。いくらなんでも多すぎる……。それなのに、どれひとつ捨てる決心がつきません。困った私はまたもや着てみることにしました。

ああでもないこうでもないと着替えていると夢中になっていきます。鏡の前を行ったり来たり。

ずいぶん長いこと使わずにいたスカーフや大振りのアクセサリーを合わせられないかと試したり、あえて全身黒でまとめ真っ赤な口紅をつけて「罰当たりコーデ」と名付けたり。思わずフフッと笑みがこぼれます。

今度のお出かけはこれでと思った時、はたと肝心なことに思い至りました。靴がありません。これではお出かけできないわ!