スピリチュアリストとして、さまざまな角度から読者のお悩みに答え、生きる指針を示してくれる江原啓之さん。現在は熱海に在住し、ていねいな暮らしをしながら日々「生きる上で大切なこと」を発信し続けています。『婦人公論』のリニューアルにあたって始まった新連載「〈幸せぐせ〉を身に着けよう」。第32回は「夫が病気になり介護中。娘に愚痴ると、自宅に戻って手伝うとの提案が」です。
Q 夫が病気になり介護中。娘に愚痴ると、自宅に戻って手伝うとの提案が
A)ひとりでは不安だったし、助かるので受け入れる
B)娘には迷惑をかけたくないので断る
先見の明をもつ
病気の夫を自宅で、しかもひとりで介護しているとなると何かと大変でしょう。すでに独立し、離れて住む子どもたちに愚痴のひとつも言いたくなる気持ちはよくわかります。そんなとき、子どもから「お母さん、そんなに大変なら私、実家に戻るよ。仕事には実家からでも通えるし、少しは手伝えると思うから」と言われた、という状況です。あなたがこの母親の立場だとして、思いがけない提案に、どんな選択をするのが幸せぐせだと思いますか?
ずばり、幸せぐせはBです。「戻ってこなくてもいいのよ。たまに話を聞いてくれたら、それで十分」と伝えるのがベスト。
たしかに、ちょっと手伝ってくれる人が身近にいれば、精神的にも肉体的にも助かるでしょう。介護を背負うのはそれほどしんどいこと。けれど、独立した娘が介護を理由に実家に戻ってくるのは賛成できません。幸せぐせのポイントは、先見の明をもつことだから。Aは今のつらい、苦しい感情に流されているだけで、先々を考えていないように見受けられるのです。