「知ること」と「わかること」

当時から体力に自信があるほうではなく、睡眠不足になるのも苦手だったわたしは困りました。そこで「知識量(知恵)と工夫と集中力(省エネ)」を大事にして、それを磨くように尽力しました。

体力ではなく工夫で勝負した結果、今でもやれているのでしょう。感性が古びたわけではないですし、アイディアも変わらず出てきてくれます。

『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』(著:秋田道夫/ワニブックス)

また「あの時はできなかったけれども、今ならできる」と感じる瞬間もよく訪れます。たとえば若い頃に「知識」として知っていたことを、今になって肌身で実感できたりするのです。

要は「知ること」と「わかること」は異なるのです。

ですから、若い人に嫉妬をするような気持ちはありませんし、若さへの憧憬もありません。それは、自分自身が若い頃に「パッとしていた」という思い出がないのも大きいでしょう。

周りの若い世代を見ても「パッとしていた」という記憶は出てきません。