「言わない」という知性

3つ目の理由は「すでに関係が温かいから」です。

極端な話、よい関係が築けていれば、会話自体が“蛇足”な場合もあります。

そんな沈黙が温かい関係を「親しい間柄」と呼ぶのでしょう。

ですが、それに気づかない人も多いもの。たとえば「間が持たないのは困る」とばかりに適当な話題を口にし続け、最終的に余計なことに触れてしまう……。

そんなコミュニケーションは、非常に惜しいと思いませんか。

言う価値より、言わない価値。「言わない」という知性もあるのです。

いずれにせよ、相手の洞察力や読解力を信用して委ねることです。「言わない知性」とは、「相手を信頼できるという知性」です。

※本稿は、『60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』(ワニブックス)の一部を再編集したものです。


60歳からの人生デザイン - 手ぶらで、笑顔で、機嫌よく過ごすための美学』(著:秋田道夫/ワニブックス)

心、人間関係、幸せ、お金、健康、時間など――。

60歳から考え方を「デザイン」しなおせば、これからの人生が驚くほど上機嫌になる!