甲子園のアルプス席で。インスタにも使った自撮り。この空気保存しておきたくて、一人で撮りました(写真提供◎大神さん 以下同)
2024年上半期(1月~6月)に『婦人公論.jp』で大きな反響を得た記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年8月24日)

**********
2023年夏の甲子園は、慶應高校の107年ぶりの優勝で幕を閉じた。2021年4月、ライザップでダイエットを成功させた元日本テレビアナウンサーでタレントの大神いずみさんは、読売巨人軍のコーチ、元木大介さんの妻であり、2人の球児の母でもある。苦しいダイエットをしている最中に、長男が大阪の高校で野球をやるため受験、送り出すという決断をしている。夢と希望にあふれてスタートした高校生活はコロナや怪我で波乱万丈。そしてこの夏で引退を迎えた。球児の母として伴走する大神さんが、この2年を振り返る。

前回「大神いずみ 長男翔大の大阪・履正社が夏の甲子園出場。大阪桐蔭の前田悠伍君と今も野球で繋がってくれていることがありがたい」はこちら

不毛な兄弟ゲンカが戻ってきた

「おかあさーん!ショウタがオレの大事にとっといたアイス食ったー!」

「お前はもう一個食ったんだったらいいだろうよ。」

「おかあさーん!ショウタがちょっと言い返したらすぐ暴力ふるってくんの、どうにかしてよー!」

「お前が調子乗ってっからだろう。てかお前、さっきからお兄ちゃんに向かって『ショウタ』ってなんや。呼び捨てにすんなや」

「おかあさーん!ショウタがオレの部屋のスニーカー踏んづけて…」

元木家にとてつもなく不毛な兄弟ゲンカが戻ってきた。

ほんの少し前まで、大阪で野球部の仲間を支えて甲子園のスタンドでデッカいメガホンを振り回していた息子が、野球部のロッカーを整理して、仲間たちに労いの言葉と束の間の別れの挨拶を済ませたあと、渾身のオシャレに身を包んで神奈川の自宅に帰ってきた。