「お話をいただいた時はすごく不思議な、時空を超えた縁を感じましたね。」(撮影=宅間國博)
2024年8月22日の『A-Studio+』にディーン・フジオカさんが登場。高校時代の思い出や、家族との関係を語ります。今回は、ディーン・フジオカさんが大河ドラマへの挑戦について語った『婦人公論』2021年6月8日号の記事を再配信します。
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6年前、朝ドラへの出演で女性たちの心を鷲掴みにした男、ディーン・フジオカ。以後、ドラマに音楽にモデルにと活躍を続けているのはご存じの通り。彼が再び、あの役で初の大河ドラマ『青天を衝け』に挑戦する(撮影=宅間國博 構成=上田恵子)

五代友厚が残した思いを全身で

連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)への出演から6年。再び、『青天を衝け』で五代友厚(ごだいともあつ)を演じることになりました。お話をいただいた時はすごく不思議な、時空を超えた縁を感じましたね。こういう形で、偉大な人生の先輩を演じさせていただけるのは光栄なこと。ものすごく嬉しいですし、興奮しています。

大河ドラマは、日本で演技の仕事をしている以上、一度は経験しておきたい現場です。今はその念願が叶って幸せですし、それが五代との再会という形で実現したことにも大きな喜びを感じています。

ただ同じ人物を演じるとはいえ、朝ドラと今回の大河ドラマとを地続きで考えることはしていません。脚本こそ『あさが来た』と同じ大森美香さんですが、演じるうえで前回の《五代さん》を踏襲するつもりはなく、まったく違うプロジェクトだと思って臨んでいます。

大森さんの書く五代のセリフには、演じていてハッとさせられるものが本当に多い。受け取った脚本には、この仕事をしていくうえで指針となるような言葉がちりばめられています。

たとえば「捨小就大」。これは小を捨てて大に就くという意味ですが、時間が有限であるなかで事を成し遂げようとすると、そこにはおのずと優先順位が発生します。リスクを伴おうとも、現実を受け止めて進まねばならない時もある。

登場一発目のセリフだったこともありますが、これは彼の今後を暗示する言葉だと思っています。今は大森さんの脚本を通して、五代友厚が後世に託した思いを全身で受け止めている最中です。