(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
厚生労働省が実施した「令和4年 介護サービス施設・事業所調査」によると、介護に従事する職員数は年々増加しており、令和4年度は215.4万人だったそうです。そのようななか「女優の仕事と介護の仕事は似ている」と話すのは、芸能活動のかたわら、介護福祉士や准看護師として現場で活躍する北原佐和子さん。今回は、北原さんの著書『ケアマネ女優の実践ノート』から、北原さんが介護の現場で経験したエピソードを一部ご紹介します。

見ている方は「しっかり見ている」流れ作業にならないコミュニケーション

すべての利用者さんではないのですが、見ている方は見ているのですね。私たちスタッフの姿、行動や表情をしっかりと。

朝、出勤したら、「この方、朝ごはんを食べてくれません……」と愚痴をこぼすスタッフがいました。

「え? どうして朝ごはんを食べないの?」
「わからないですけれど、食べないのですよ」

利用者さんにも、スタッフに対する好き嫌いはあります。自分に合うか合わないかですよね。

それから、ちょっと上から目線の態度だったり、流れ作業的な感じで心なく接したりしていると、利用者さんはすぐに感じ取ります。

朝ごはんを食べないこと。

それは利用者さんなりの抵抗の表れなのでしょう。