私に限らず、年齢を重ねて自由な時間ができたら、自分が最期に過ごす場所を見つけておくのがいいと思います。

これまで全国各地の高齢者施設を取材してきましたが、ひとくちに「老人ホーム」と言っても千差万別。居住者の自由な意思を尊重してくれる施設もあれば、管理がきびしく家族でも気軽に会えない施設もある。一概に、建物の外観がきれいだからいいというわけでもありません。

自分の足で動けるうちにお気に入りの施設を見つけておけば、見当をつけないまま心身ともヨボヨボになり、子どもに「近くて安い施設」へ入れられてしまうこともないでしょう。(笑)

私はこのホームで両親を看取り、どこで過ごすかによって晩年が幸せになるか不幸になるかが決まるのだと実感しました。

同居する家族のいないおひとり様にとって、自宅にしても施設にしても、終の住処が決まっているのはとても安心なこと。そういう安心感があればこそ、人生を最期まで楽しむことができるのだと思います。