「せっかく自由な時間ができたのですから、人とのつながりを広げていけば、毎日をより楽しく過ごせるのではないでしょうか」(撮影:本社・武田裕介)
2018年、栃木県・那須高原の高齢者住宅に移住し、息子家族とは距離を置いて「自由」と「理想の住まい」を手に入れた久田恵さん。しかし今年2月から、東京の実家でひとり暮らしをしています。終の住処にもなりえた家を76歳で引き払った理由は――(構成=内山靖子 撮影=本社・武田裕介)

前編よりつづく

老人ホームに遊びに行く毎日

東京に戻ってきてからは、学生時代の友人とよく会うようになりました。後期高齢者になると、夫に先立たれておひとり様になっている女友達があっちにもこっちにも。

私自身もそうですが、ひとり暮らしの女性がポツンと家に籠もっていると、気持ちがどんどん暗くなっていく。

そこで、自分と同じようなおひとり様の友人に「うちに泊まりに来ない?」と声をかけ、10代に戻った気分で夜中までおしゃべりを楽しんだりしているんです。

シニア世代の女性は、ひとりで外食したり映画を観に行ったりするのが苦手という話もよく聞きます。でも、学生時代の友人と一緒なら気軽にお出かけできるでしょう。

私はなぜか友人からフラダンスのレッスンによく誘われるのですが(笑)、同世代の女性が集まっていそうな習いごとや地域のサークルに思いきって参加してみるのもいいかもしれません。

せっかく自由な時間ができたのですから、人とのつながりを広げていけば、毎日をより楽しく過ごせるのではないでしょうか。