また、介護保険サービスを受けている場合、医療保険と介護保険の自己負担が高額になったときに還付される「高額医療・高額介護合算療養費制度(C)」が利用できるかもしれません。
ほかにも、日常生活に不自由がある場合に申請できる「障害者手帳(D)」、パーキンソン病など難病にかかったときに利用できる「難病医療費助成制度(F)」など、さまざまな公的制度・福祉サービスがあります。下の一覧表を参考にして、最大限に活用してください。
細かい支出には節税対策を
シニアの医療費というと、いわゆる3大疾病「がん」「心疾患」「脳血管疾患」にかかる費用を心配する人が多いかもしれません。しかし、前述した高額療養費制度により自己負担の限度額が決まっているため、出費が大きくかさむことはないと考えてよいでしょう。
注意したいのは、こうした制度が適用されるのは「(1) 公的医療保険が適用される診療(検査・診療・治療・薬剤・入院費)」のみだということ。差額ベッド代や先進医療の費用、入院時の食事代の一部、診断書作成料、インプラントやレーシックといった自由診療など「(2) 病院に支払うそのほかの費用」は、全額自己負担です。
また、通院のための交通費、宿泊費、入院時に使う日用品費など「(3) 病院以外に支払う費用」も別途かかってきます。年齢を重ねると、(2)(3) の出費が増えていきがちです。
もうひとつ、特に高齢者の医療費で注意したいのは、高血圧などの生活習慣病、骨粗しょう症、関節リウマチ、睡眠障害、白内障・緑内障など、比較的長期にわたって通院しなければならない病気が増えてくること。1回ごとの医療費は高額でなくても、いくつか病気が重なったり治療が数年にわたったりすれば、費用がかさんできます。