(写真:stock.adobe.com)

医療保険が必要な人、必要ない人

ここまで医療費を抑える話をしてきましたが、実際、この先いくらかかるのか気になる方も多いと思います。冒頭で紹介した総医療費のデータに各年代の自己負担率をかけて計算すると、65歳以降にかかる医療費の自己負担額は約233万円です。

ここに高額療養費制度や医療費控除の還付分は反映されていませんが、前述した(2)(3)の費用も別途かかるため、200万~300万円が、65歳から亡くなるまでに負担する医療費の目安。これを純粋に「医療に使えるお金」として貯金しておくことをおすすめします。

特にシニアの方は、医療費と生活費の口座を分けておかないと、生活費や介護費の補填分と医療費の出入りが交ざってわかりにくくなります。医療費専用の口座を作っておけば、半年や1年ごとに残高を確認することで、いくらかかったか把握もしやすいでしょう。

最後に、あらためて見直していただきたいのが医療保険です。内容をよく確認せずに、毎年更新している人も多いのではないでしょうか。この先も払い続ける保険料に対し、病気になったときいくら給付が受けられるのか――。

基本的に医療保険は掛け捨てで、入院等をしなければお金は受け取れません。しかも、医療の進歩によって、入院期間は年々短期化しています。一度、ノートなどに保障内容を書き出し、重複がないか、本当に必要か確認しましょう。