メンタルクリニックの敷居が低くなった
かつての日本では、メンタルを病むということに対して、非常にネガティブなイメージ(偏見)が強くありました。
そのため、以前は自分のメンタルに不調を感じても、生活や仕事に支障が出るほど深刻にならない限り、精神科を受診する人はほとんどいませんでした。
本人はもとより、異変に気づいた家族も、「まさか、そんなはずはない」「こんなこと、誰にもいえない」と否定したり隠したりして、医療機関を受診する人はごくわずかでした。
それがここ20年ほどの間に精神科の敷居が低くなってきたことは、多くの人が実感していると思います。
マスメディアの扇動により、良くも悪くも「心の病」に対する世間の認知が広まり、身近なものになったのだろうと思われます。
とくに若い人たちの間では、メンタルに不調があることを自らアピールする傾向も見られます。
SNS上には、「職場の上司に注意されたことが、ずっとトラウマになっている」とか「仕事のことが気になって夜眠れないのは不安障害に違いない」「朝なかなか起きられない私は<プチうつ>だ」「メンヘラ※で休職中」といったつぶやきがあふれています。
※メンタルヘルスに何らかの問題を抱えている人