私自身も、幼い頃から問題行動が目立つ子どもでした

残念ながら、大人になってもその傾向は残り続け、社会の中で、どのように生きていけばいいのか、悩む日が続いていました。

そんなとき、自分とそっくりな子どもの担任をすることになり、しかもその子は発達障害と診断されている……。

「私ももしかして、発達障害だったのか……?」このとき私は、これまでの点と線が一瞬でつながりました。

そして休日、病院に行き、検査や医師のヒアリングを受けたところ、医師からは発達障害(自閉症、ADHD)の可能性が高いことを伝えられ、アトモキセチン(ストラテラ)というADHDの薬を使って様子をみることが決まりました。

さらに医師からは、「今まで学校とか仕事で苦労したと思うけれど、それは性格の問題じゃなくて、発達障害のせいだからね」とも言われたのです。

これまで私は、人に迷惑をかけて生きてきたという自覚が強かったので、自分はダメ人間である、と長い間思っていました。

だからこそ、医師の言葉を聞いて、「私の人間性がダメだったわけじゃなかったんだな……と、つい泣いて喜んでしまったことを、今でもよく覚えています。

一方で、学校で怒られてばかりの子どもたちも、自分の背景を知らないで苦しんでいるのかもしれないと考え始めました。

そしてこれを機に、発達障害などの特別支援教育について真剣に学ぶ日々がスタートしたのです。