marinaさんは絵を描くだけでなく、独特なタイポグラフィを書き綴るのがお気に入り(写真提供◎ヘラルボニー)

障害のある人とそうでない人とを結ぶ

作品の魅力を、どうしたら多くの人に伝えられるだろうか。最初に取り組んだのが、るんびにい美術館の作品をネクタイの柄にして商品化することでした。「ネクタイ」にしたのは、障害のある人とそうでない人とを結ぶ、というメッセージを込めたかったから。作品の力強さや質感を伝えるためにも、プリントではなく、シルクの織り地で実現したいと思いました。

 

ヘラルボニーにとって記念碑的な商品となったネクタイ(写真提供◎ヘラルボニー)

当時、僕は建設会社の営業で、崇弥は企画会社のプランナー。会社勤めの傍らでの挑戦のうえ、アパレルはまったくの門外漢でした。そんななか老舗紳士洋品メーカーである「銀座田屋」さんが僕たちの思いを受け入れて、細かい色使いや繊細なタッチを生かしたネクタイを作り上げてくれたのです。これが、思い出深い商品の第一号でした。