2017年夏、夫を見送る
私にとって2017年の夏ほど暑かった夏はない。アスファルトの道路、地下鉄に乗って病院通い。
夫は2017年の春からググッと体調を崩し白血病をわずらい、大健闘もむなしく意識をなくした日から顔に人工呼吸器のマスクをつけられた。
私も夫といっしょに機械のリズムに合わせて息をしてみたら、とても苦しくなった。
人っていつもはそう規則正しく安定した呼吸などしてないのだろう。ため息とか吐息とか浅い深いなど、おかず的呼吸があってこそきっと肺も心地よく活動できるはず。
7月7日の明け方、夫からマスクが外された。
ああ、これであの苦しい呼吸から解放されるんだなとほっとしたのを覚えている。良かったと思った。