三者三様、最後の姿
義母さんが逝ったのはポカポカした春の午後のこと。遊びに来ていた小さいひ孫らの側で眠ったまんまで。
息子に遅れること4年、やっと後を追えた。
先生が死亡証明の書類を記入しながら「在宅で、それも老衰で亡くなるなんてすごいことなんだよ」と言ってくれた時、また畑の仲間からの「97歳だとぉ? 昔なら赤飯炊くようなこった」との言葉にはグッときた。
夫、義母、愛犬。三者三様の亡くなっていくまでの最後の姿を私に見せてくれたんだと思う。
オマケだけど、義弟のお葬式もこの間に挟んでいる。夫と折り合いが悪く付き合いが薄かった義弟だったけれど、義母の納骨と時同じくして壺を並べ墓に納めた。
時々思うのだ、私が夫より先においとましていたら? 残された夫は母親やスーの面倒やらなんやらを、仕事と両立して首尾よくやれたのかな? と。
まあ子どもらと協力してなんとかこなしたとは思うけど、でも私の方でゼッタイ良かったんだと信じたい。残った者のプライドとしてね。
※本稿は、『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。
『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(著:本田葉子/幻冬舎)
一人になった。さみしい。心細い。でもいちばんは、楽しみだ!
いつもの朝ご飯と欠かさない晩酌。なんでもないけど好きな服。
すぐ真似できる工夫で自分だけの人生を始める!