「私に絡んできたお方もいたのよ」

その後、夜に催した酒席で深く酔ったまひろは、みなへ内裏や土御門殿での暮らしを自慢し始めます。

「五十日の儀のときには左大臣様が無礼講だ、とおっしゃったら、まっことに無礼講になってしまって。ふふふ。殿方たちはすっかり酔っぱらって…私に絡んできたお方もいたのよ!おっほっほ」

「あの生真面目な大納言実資様まで、女房の袖の中に手を入れたりなさって…たまげましたー」

加えて、土御門殿には食べきれないほどのお菓子もお料理が、といった話を機嫌よく話すまひろでしたが、明らかにまわりはひいていきます。

最終的には、お調子者の弟・惟規から注意されてしまう始末。