年収の推移――世代間の差は縮まらない

図1-3は同じ要領で年収をプロットしたものだ。

<『就職氷河期世代-データで読み解く所得・家族形成・格差』より>

労働力調査からは、年収は50〜100万円とか700〜1000万円といった階級しかわからないため、各階級の中央の値を取り、2015年基準の消費者物価指数で実質化した。

働いていなかったため年収がゼロの人は、ゼロとしてデータに含まれている。

就業率や正規雇用比率と同様に、年収も、バブル世代は他の世代よりも明らかに高い。次が氷河期前期世代で、氷河期後期世代になるとさらに下がる。

一方で、氷河期後期世代とそれ以降の世代の間にはほとんど差がない。

年収が就業率や正規雇用比率と違うのは、卒業からの年数がたっても、必ずしも差が縮まっていかない点だ。

高校卒の氷河期前期世代と後期世代の差や、大学・大学院卒のバブル世代と氷河期前期世代の差などは、むしろだんだん拡大していくように見える。

ちなみに、卒業15年後の段階で全学歴の平均値を比べると、バブル世代の平均年収は477万円なのに対し、氷河期後期世代は415万円と、62万円も差がついている。

月あたりにして5万円、かなりの差である。