改めてオール電化住宅を考える
原子力発電所の稼働停止や円安、ウクライナ問題等で電気代が爆上がりしている。20年ぐらい前は「オール電化住宅はお得でエコ」と言われて人気があった。
太陽光発電の売電価格も高かったので導入後10年すれば元が取れた。お得さが魅力なオール電化だったはずなのだが、次第に売電価格は下がり、補助金も少なくなった。
そして知らぬ間に深夜電力料金まで高くなったから、安い深夜電力を利用してお湯を沸かしていたエコキュートもお得度が下がってしまった。
さらに10年を過ぎるとユニットが壊れる可能性が高くなるので交換が必要になる。構造が複雑なので本体費用も一般のガス給湯器よりも高額になる。
太陽光発電はパネル自体の耐久性は高いのだが、変換器のパワーコンディショナーが10年を過ぎたあたりで交換となることが多い。
IHクッキングヒーターは空気を汚さず、火を使わないから火災の危険は少なく、湯沸かしが速いので便利だが、導入コストがガスレンジより20万円以上多くかかる。これも故障すると交換費用は35万円前後になるだろう。
蓄電池も普及してきたが、電気自動車のように導入コストが高いことと寿命が短いことが気になる点だ。
これからは手放しでオール電化を導入するのではなく、南傾斜の屋根面積が広いとか、陽当たりの良い立地なので効率的に発電できる太陽光発電を導入するとか、高齢で火の不始末が心配だからIHクッキングヒーターにするといったように、相応の理由がある場合は導入すればいい。
基本はイニシャルコスト、ランニングコストが安い「ガス給湯器+ガスレンジ」の組み合わせでいいと思う。