帝の妃であるという立場

藤壺は、たとえわが身を夢としても、世間の噂話として人が語り伝えるのではないでしょうか、というのです。

ここには、帝の妃であるという立場が強く意識されています。

(写真提供:Photo AC)

源氏との個人的な関係だけにとどまることは許されないという、藤壺の冷静な判断です。

しかし、この出来事によって藤壺は懐妊し、世間的には桐壺帝の皇子を出産します。

皇子はやがて、朱雀帝(すざくてい)時代の皇太子となります。藤壺は、皇子の皇太子としての地位を守るために、大変な犠牲を払うことになります。