源氏と藤壺の罪

やがて皇子は冷泉帝(れいぜいてい)として即位し、源氏は冷泉帝から、太上天皇に准じる位を与えられることになります。

源氏の名誉は、藤壺との私的な愛情を起点としてもたらされました。しかしそのおおもとには、源氏の犯した罪があることも事実です。

そして藤壺もまた、その罪に関わってしまったのです。

※本稿は、『美しい原文で読む-源氏物語の恋のことば100』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。

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美しい原文で読む-源氏物語の恋のことば100』(著:松井健児/中央公論新社)

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