家の傾きについて建築業者の責任とは?

現在の住宅は建築業者に10年の瑕疵(かし)担保責任が義務付けられており、その間に家が傾いてしまったら建築業者が修正工事を行う責任がある。

そうならないようにあらかじめ地盤調査をして必要に応じて地盤を補強してから建築するので、そうそう家は傾かないものである。……が、築30〜40年のアラサー、アラフォー住宅になるとほとんど地盤調査をしていないケースもあり、家が傾く事態が起こりうる。

湿地や造成地など、地盤が緩い場所に建てた家が傾いてしまっていることが多いので、築古の中古住宅を購入する際には、そこがどんな土地だったのかを知ることがとても大切になる。

床の沈みに注意(写真提供:Photo AC)

傾いてしまった家を直すのは難しい。現在の住宅は「べた基礎」といい、建物の床下にはすべて鉄筋コンクリートが打ってある。

例えれば、かまぼこが家だとすると、かまぼこ板がべた基礎にあたる。だから地面の一部が沈んでも、その部分だけ持ち上げれば家全体が持ち上がるので修正難易度は易い(それでも150万円以上は必要だ)。

しかし、アラサー、アラフォー住宅は、「布基礎」といい、建物外周だけに鉄筋コンクリートが打ってあるだけという場合もある。

地面の一部が沈んだら、その部分だけ家が沈むため、直すのが困難なのだ。結局のところ、その一部分だけ応急処置するだけなので、抜本的な解決にはならないのだ。

仮に床を平行に直しても、柱は傾いたままなので窓やドアはひし形になったままで隙間が空いてしまう。生活の質があまりに下がってしまうようであれば、建て替えも視野に検討することとなるだろう。