アラサー、アラフォー住宅は「床の沈み」に注意!
次に注意したいのは、床の沈みだ。最初に気が付く箇所は、洗面脱衣室あたりでお風呂との境の床だ。「ぐにょり」という違和感。この沈み込む感じが最初に現れる。
アラサー、アラフォー住宅の床は一見すると木の厚い板が張ってあるように見える。しかしながら実際は表面に数ミリ本物の木を貼ってあるだけで、残りは合板である。
合板は接着剤で貼り合わせるので湿気に弱い。床下は土だから絶えず湿気にさらされるから接着が剥がれ、木も腐り、やがて歩くたびにトランポリンのように床が「しなる」ようになる。
いつ足が床を踏み抜けてしまうか気が気でない日々を過ごすのは、心にも体にも悪い。
直す方法は大きく分けると二つ。いったん床と下地を撤去し、防湿シートを貼る、コンクリートを打つ、床下換気扇を付けるといった施工のあと、新たに床下地を組み、合板を張る。
さらにその上に仕上げの床を張る。床だけでなく、床と接触する壁や建具の敷居も補修するので大工事になるが、クオリティは折り紙付きだ。
もう一つは応急処置パターン。次回同じ症状が出たら家自体を解体するという前提で、現状の床の上に6〜12ミリ厚の床板を貼り増す方法だ。
5メートル程度の廊下で15万〜20万円といったところだろう。2階の部屋の床も沈んでいる場合もあるが、この方法だと安価で済む。
「あと10〜20年住めればいいや、だから予算は最低限に」という方向けの期間限定の対処法である。
※本稿は『人気建築家と考える50代からの家』(草思社)の一部を再編集したものです。
『人気建築家と考える50代からの家』(著:湯山重行/草思社)
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