姑に甘えることの方が得意だった私

娘は離れて暮らす私の母に“生存確認”と称して決まった時間に電話しています。スピーカーにして電話をしているので聞こえてくるのですが、「そんなんするから、おばあちゃんは嫌われんねんで」と祖母に対して毒舌をかましている娘。対しておばあちゃんもガハハと笑って「そやけどあんたもなぁ!」と楽しそうにやりとりしています。

私は高校生で仕事を始めて家を出たからなのか、母に対して、そこまで歯に衣着せぬ喋り方ができません。2人の元夫とはうまくやれなかった私ですが、なぜか2人のお姑さんとは良好な関係を築くことができました。

吉本に入って以来、礼儀を通さなければいけない大先輩方に可愛がってもらうことが日常だったため、「敬意を持って一定の距離を保つ」ほうがうまくやれるのかもしれません。先輩の鏡を磨いたり、靴を揃えたり、飲みに行こうと誘ってもらったらお酒が飲めなくても朝までお付き合いをしました。そんな先輩後輩関係は私にとって心地よく、得意分野なのです。

今でも実の母に対して甘えきれない私は、素直におばあちゃんの胸に飛び込める娘のことを少しだけ羨ましく思う毎日です。