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人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

硬いものは苦手ですか?

最近の日本人は噛(か)む力が弱くなっているのをご存じですか。

テレビのグルメ番組を見ていると、「やわらかい、おいしい!」とレポーターが話しています。こうしたことからも、だんだん噛むのが苦手な人が増えているように思います。一方、噛むことは脳の健康にも大切だと指摘されています。

咀嚼(そしゃく)する(噛む)行為は脳を刺激して血流が増し、その結果、脳を活性化する効果があるのです。

74歳の人にガムを噛んでもらい、脳を調べた結果、記憶をつかさどる海馬や、思考や判断力をつかさどる前頭葉の活性化が認められました。

よく噛む人と噛まない人をくらべると、高齢になってから認知機能が大きく違ってくるという調査結果も出ていて、噛むことと認知症の発症との深い関係が広く認められています。