厚生労働省が実施した「令和4年 国民健康・栄養調査」によると、糖尿病が強く疑われる者の割合は、男性が18.1%、女性が9.1%だったそう。そのようななか、糖尿病専門医の矢野宏行先生は「血糖値や糖尿病について、誤解していたり、勘違いしている人があまりに多い」と指摘しています。そこで今回は、矢野先生の著書『ミスター血糖値が教える 7日間でひとりでに血糖値が下がるすごい方法』から、血糖値や糖尿病に関する最新の常識を一部ご紹介します。
朝の出勤前のジョギングや運動を欠かさない
目覚めのいい朝を迎え、体の調子がいいのですぐにジョギング。
とても健康的な印象を受けるかもしれません。
寝不足で何度も目覚まし時計に手を伸ばしたり、目を開けたものの頭がぼーっとしていたり、前日のアルコールが残っていて二日酔い気味だったり、というのに比べ、はるかに元気はつらつとしていますからね。
しかし、じつはこの行為は要注意といわざるを得ません。
睡眠時の血糖値は基本的に、いったん下がると低い状態がキープされるのですが、目覚めが近づいてくるとホルモンの影響を受けて徐々に上昇していきます。
そして、目が覚めると血糖値はさらに上がっていきます。
血糖値が高い状態で激しい運動をするのは良くありません。「ジョギング程度なら」と思うかもしれません。
でも、それまで(目が覚めるまで)体は究極の安静状態にあったわけですから、いきなりのジョギングはじゅうぶん激しい運動の範疇に入ります。だから要注意なのです。
どうしても朝しか運動の時間が取れないという人は、いきなりトップスピードで走り出さず、15分程度歩くなどしてアイドリングの時間をつくるようにしてください。それだけで、いくぶんましになります。