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総務省統計局が令和6年9月に公開した「統計からみた我が国の高齢者」によると、65歳以上の人口は3625万人と過去最多だったそう。高齢化が進むなか、92歳の評論家・樋口恵子さんと88歳の作家・下重暁子さんは「女性は75歳を過ぎると、医療のお世話になることがぐんと増える。75歳が老いの分かれ目」と語っています。そこで今回は、お二人の共著『90前後で、女性はこう変わる』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。

「女性は12年も寝たきりになる」は本当? 必要以上に不安にならない

下重 近年、「健康寿命を延ばそう」などとよく言われますよね。健康寿命って、そもそもなんですか?

樋口 「健康寿命」とはなんなのか、よく人から聞かれますが、私もなかなか正確には答えられませんでした。厚生労働省によると、「日常生活が制限されることなく生活できる期間」の平均年齢とのことです。

ちなみに2023年に厚生労働省から発表された男性の平均寿命は81歳、女性は87歳。平均寿命から健康寿命を差し引いた年数、つまり日常生活が制限される年数は、男性9年、女性12年と言われています。

下重 女性は12年間も日常生活が制限された生活を送っているの? 本当かしら。世間一般には「寝たきり期間」なんて言われていますが、にわかには信じがたいですね。