「健康寿命」はかなり曖昧

樋口 おっしゃるように、なにをもってして健康寿命と言うのかが難しい。最近、高齢医療に詳しい医師の和田秀樹さんから、「健康寿命」というのはかなり曖昧なものだと聞きました。

厚労省がいうところの「健康寿命」の算出はアンケートがもとになっているようで、全国から無作為で選ばれた男女に「あなたは現在、健康上の問題で日常生活になにか影響がありますか?」という質問をするそうです。

『90前後で、女性はこう変わる』(著:樋口恵子、下重暁子/幻冬舎)

下重 ということは、なにをもってして「日常生活に影響」と考えるかは、主観的であり、恣意的なんですね。だいたい歳をとれば、どこかしらに支障は出てくるものです。

樋口 おっしゃる通り! 「血圧が高めなので食事の際、塩分を控えている」とか「薬を飲んでいる」という方も、「日常生活に影響がある」と答える場合があるわけですから。