「多少の不調」の考え方
下重 まわりを見ても、日常生活を制限されている70代の女性はそんなにいない気がします。あまり言葉に踊らされて、不安にならなくてもいい、ということかもしれませんね。
樋口 定義が曖昧であっても、「健康寿命を延ばそう」という考え方自体は賛成です。私もそのために、さまざまな提言をしてきました。
ただ、ほんのちょっとした不調でも「歳をとると病気ばかりしている」「あちこち衰えてつらい」と嘆いて落ち込む人もいれば、「多少、不調はあるけどまだまだ元気」と考える人もいる。感じ方は、人それぞれ。
下重 ある程度、高齢になると、まったく若い頃と同じというわけにはいきませんよね。多少の不調があっても、それが老いるということですから、「まっ、そんなもんか」と受け入れたらいいんじゃない?