パッションのあるあかね像を
――「四条宮の和歌の会」にやってくる初登場シーンのインパクトは絶大でしたね。自由奔放で、色っぽくて、それでいて知性的で品もある。そんなあかね(和泉式部)に、がぜん注目が集まりました。演じるうえで、どのようなことに気を配られたのでしょう。
資料などを読んで準備していたときは、和泉式部は色香のあるキャラクターなのかなと想像していました。ところが、初登場のシーンのリハーサルで、「パッションのあるあかねさんで」との演出があったのです。場の空気を大胆にかき乱すような、明るさが求められたのだと思います。
中宮さまの女房になってからも、物怖じしないというか、突き抜けているというか……。和泉式部という呼び名に対して、「別れた夫の官職は嫌でございます」と、はっきり不満を言ったりする(笑)。藤壺にはいなかったタイプの女房ですよね。
台本をもらったときに、私自身もちょっと驚いたほど。どう表現するのか、明るさと上品さとの塩梅は、その都度、試行錯誤していました。