狙うは最高得点の「夢浮橋」!
実は、「投扇興」には多くの流派があり、遊び方や採点のルールも流派によって異なるとか。番組で紹介された『源氏物語』のほかに、百人一首形式など、得点のつけ方も何種類かあるようです。
今回の採点方式では、蝶や扇子の落ちた形それぞれに『源氏物語』ゆかりの名前がつけられています。「夕霧」5点、「若紫」15点というように点数が決められていて、なかには減点されるものも。最高得点は「夢浮橋」の100点です。
「夢浮橋」は奇跡に近い形。100点満点を出すのは至難の業だと思われますが、やはり狙うは「夢浮橋」!ふたりの真剣勝負がスタートしました。
狙ったところに扇子を飛ばすのは、なかなか難しいらしく、泉さんも大久保さんも大いに苦戦!雅な対決の行方が気になる方は、ぜひ番組をご覧ください。
番組の内容を、もう少し紹介しましょう。「きわみ堂」名物(?)「大久保さん、お稽古です!」のコーナーでは、大久保さんが京舞・井上流の舞に挑戦。井上流五世家元、井上八千代さんの娘さんである、井上安寿子(やすこ)さんの指導を受けながら、『源氏物語』を題材とした京舞「葵上」のお稽古を体験します。
以前、この連載で紹介した能「葵上」と同様、京舞の「葵上」も、主人公は光源氏の恋人である六条御息所。正妻・葵の上に対する嫉妬や恨みから、生霊となって襲いかかる場面を舞で表現するのです。大和和紀さんの名作漫画『あさきゆめみし』に描かれた、この生霊のシーンが大好きだという大久保さん。キリっとした着物姿で、お稽古にのぞむのですが……。