『芸能きわみ堂』と大河ドラマのコラボ企画

番組収録が行われたのは、嵐山にある宝厳院。室町時代に創建された天龍寺の塔頭寺院で、嵐山を借景とした回遊式の庭園は、紅葉の名所としても知られています。

収録時は紅葉の季節には早かったものの、苔むす庭と木々の緑がとても美しく、出演者(司会)の高橋英樹さんや大久保佳代子さんも、その風情に魅せられた様子。そんな庭園に面した、趣きある数寄屋造りの書院で、「投扇興」を体験するという趣向です。

時代劇スターであり、古典芸能や文化に詳しい高橋さんと、「古典とは無縁に生きてきた」という大久保さん。そのコンビで、歌舞伎や能楽、邦楽、舞踊といった古典のおもしろさ、伝統文化のすばらしさを、誰もが楽しめるように紹介し、「深くて豊潤な伝統のきわみへと誘う」。それが『芸能きわみ堂』という番組です。

今回は、大河ドラマ『光る君へ』とのコラボ企画(「京都にいきづく源氏物語の世界・後編、11月1日放送)ということで、ドラマで和泉式部役を演じる泉里香さんをゲストに迎え、泉さんと大久保さんの“投扇興対決”が行われました。

対決に先立ち、庭木櫻子アナウンサーが京都の老舗扇子店「宮脇賣扇庵」と「大西常商店」を訪れ、扇の種類や歴史、「投扇興」の遊び方などを教わるレポートも。採点方法が『源氏物語』にちなんだものであると知り、出演者のみなさんも興味津々です。

「投扇興」は江戸時代に流行った遊びですが、使う道具は平安時代に生まれた扇であり、採点のルールも『源氏物語』と関わりがある――その意味で、「源氏物語の世界」とつながっているのです。

庭木アナが京都の扇店を取材。1200年の伝統にふれる