フィクションなのだから徹底的に描いてほしかった
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』を観た感想としては、「やっぱりね」というのが正直なところでした。母は生前、週刊誌にあれこれと書かれていましたし、暴露本なども出版されています。今回のドラマはそれらから得た情報と、母が著した『女の履歴書』をミックスした内容だなという印象を受けました。まぁエンタメとしては面白かったのではないでしょうか。
ドラマが配信されて以降、多くの方から「事前にNetflixからの許可取りや取材の申し込みはあったのか?」と聞かれました。答えはノーです。今から3年ほど前にNetflixさんから「こういうドラマを撮ります」と連絡をもらってはいましたが、その時点ですでに制作が進行していたため、ほぼ事後報告という形でした。取材もされていません。正式にオファーしていただいていたら私が知っていることをお話しできたのかもしれませんが、依頼はなかったです。
もちろん報酬などはいただいていませんし、逆にこちらから母の衣装10点以上、エルメスのバーキンのバッグ3点を無償でお貸し出ししました。Netflixさん側が「敬意と愛を持って作ります」と熱く語ってくださったので、「せめて装いだけでも本物に」と提供させていただいたのです。Netflixさんからは、非売品のどんぶりを3ついただきました。(笑)
家族の感想は、「私たちが知るばぁば(母のこと)の人生は描かれていないね」というものでした。所詮フィクションなのですから、どうせならあんなふうにモヤッと終わらせないで徹底的に描いてほしかった。もしも母が観たら、「私の人生、こんな生ぬるいもんじゃなかったわよ!」と言ったでしょうね(笑)。韓国ドラマだったらもっと容赦ない展開になっていたのでは、という気がします。
ドラマの中で、幼いころの母が戦後の貧困の中でミミズを食べるシーンや、嫁ぎ先で大量のニワトリを絞めて親子丼など鶏のフルコースを出すシーンがありましたよね。母は虫の類が大の苦手で動物好きの人だったので、あれはさすがに無理があるかと(笑)。親子丼はその後もドラマに登場しますが、母の得意料理だったという記憶もありません。制作側が、インパクトのあるシーンを撮りたくて考えたのだと思います。