細い体で迫力を出せた戸田恵梨香さんはすごい
母が極悪人のように描写されていたことはさておき(笑)、私が気になったのは、実名で取り上げられた島倉千代子さんと、陽明学者の安岡正篤先生をモデルにした安永正隆氏の描かれ方です。母は特に安岡先生に敬意を持っていたので、物語の後半であんなふうに雑に描くのは失礼なのではとハラハラしました。ご親族もいるわけですから、もう少し調べて丁寧に描けなかったのだろうか、と。
反対に、地方の御曹司との結婚や、生田斗真さん演じる大江戸一家総長の堀田雅也氏との恋愛エピソードは熱を込めて描かれていましたね。それを観て、Netflixとしては恋愛の部分を濃く見せたかったのかなと。
実は最初に配役を聞いたとき、「戸田恵梨香さんが60代までの細木数子を演じるのは難しそう。たとえば友近さんのような方のほうがいいのでは?」と思っていたのですが、戸田さんと生田さんとの恋愛の描写を見て「なるほど」と納得しました。(笑)
戸田さんの演技は素晴らしかったです。細い体で、あそこまでの迫力を出せたのはすごい。ドラマの中で印象的に描かれた、口元を指でぬぐう仕草も、母は人前ではあまりしませんでしたが、考えてみたら、食後にさりげなくやっているのを見た記憶があるんです。それをどこかで知って、役作りに取り入れたのでしょうね。よく研究しているなと思いました。