右足の麻痺は治らない。慣れない場所では装具を
リハビリは途中から、どんどん楽しくなりました。だって「もう歩けない」と言われていたのが、少しずつ歩けるようになるんですから。その一歩一歩の積み重ねが、すごく楽しくなってきたんです。モチベーションになったのは、オートレーサーとしてもう一度走りたい、対戦したいという思いだけでしたね。
リハビリは一度休んでしまうと続かないので、毎日必ずやるようにしていました。先生と一緒に朝1時間、夕方1時間。あとは自分のベッドの上でできることを1時間。それ以外の時間はちゃんと休むという感じで、オンとオフを切り替えながら集中してやっていました。そうでないとメンタルをやられてしまうので。
さすがに最後、先生に「1階から18階まで階段を上れなかったら退院はナシね!」と言われた時は「嘘でしょう!?」と思いましたけど(笑)。それでも僕は隠れて階段の上り下りをやっていたので、「やります!」と二つ返事でやり遂げました。
落車から1年後に5回目の手術をして、背中のプレートと総重量250gのボルトを摘出。現在はかなり回復して、普通に近い状態で生活しています。ただ右足の麻痺は治らないため、段差がある道や砂利道だと足首がぐにゃっとなっちゃうんですね。なので慣れない場所では、転ばないよう装具を付けて歩いています。