悲願の日本一獲得から82日後の大ケガ

2020年11月3日、SG日本選手権で優勝し、24年目にして念願だった日本一になりました。22歳でSMAPを脱退してオートレーサーの養成所に入った際、メンバー5人と「お互い日本一になろう」と約束をしていたので、嬉しさと同時に「やっと約束を守れた」と安堵したことを覚えています。

ところが日本一になった82日後、レース中に落車。多発肋骨骨折、肺挫傷、肺血胸、腰椎破裂骨折、骨盤骨折という大ケガを負ってしまいました。計4回手術をして、体の中には24本のボルトが埋め込まれ、当初医師は兄に「命があっただけでも幸運。歩けるようになるかどうかもわからない」と伝えていたそうです。

ただ、僕の中では「日本一になれたのは後付けじゃないのかな?」という思いがあって。ケガをすることを神様がわかっていたから、僕を日本一にしてくれたのかなと考えたんです。だったらケガを治して、もう一度日本一にならなくてはと思いました。

病院での治療とリハビリは苦しかったです。しかもコロナ禍だったため、お見舞いも受けられなければ外にも出られない。でも逆にそれがプラスになったと言いますか、土日も先生に来ていただき「普通の人の2倍お願いします」と頼むことができた。外と隔絶されていたぶん、より体を治すことに集中できたのだと思います。