光源氏に似ているとされる敦康親王
<敦康親王は、一条天皇(塩野瑛久さん)と定子(高畑充希さん)の第一皇子。定子の亡き後、藤原道長(柄本佑さん)の長女で一条天皇のもう一人の后・彰子(見上愛さん)の元で養育され、母代りの彰子を慕うようになる。源氏物語の主人公・光源氏も幼くして母を亡くし、藤壺の女御を母代わりと慕って育つ。天皇の子でありながら不遇な境遇に置かれるところなども光源氏に似ているとされる。『光る君へ』の主人公、まひろ/紫式部(吉高由里子さん)は彰子に仕え、『源氏物語』(主人公は光源氏/光る君)を執筆する>
みんながみんなそれぞれに、「光る君」や「光源氏」のイメージがあるでしょう。僕は、大和和紀さんが『源氏物語』を漫画化した『あさきゆめみし』をちょうど読んでいました。『あさきゆめみし』と大石静さんの『光る君へ』の台本のいろいろなシーンがリンクしているところがあったので、光源氏とつながっているのでは、と思い、演じました。
僕の出演前、彰子が幼い敦康親王にお菓子をあげる場面があるのですが、これまで笑わなかった彼女が笑顔を見せます。そのたったワンシーンで2人にしかないつながりが感じられました。
敦康親王と彰子の関係は、小さい子供が年上のお姉さんを慕うというだけでなく、好意もあるなどいろいろなとらえ方があるでしょう。僕の中の一つの答えは、恋愛感情もあったかもしれないけれど、それ以上に、何よりも彰子から注がれた愛情をちゃんと感じて、それに何とか応えようとする気持ちが敦康親王にはすごくあるということです。せりふの端々から感じました。