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「いらっしゃい」がハードルを下げる

ガーデニングに興味があるらしい人からは、「もしかしたら、ナメクジが出ませんか。うちは花壇にいっぱいいて困っています」とか、「アジサイを株分けしたら枯れてしまって……。どうすればうまくいくかご存じですか」などと尋ねられることもあったそうです。

夫妻は、「せっかくだから、もっとみんなに庭を見てもらおう。それをきっかけに、おしゃべりしたり情報交換ができたりしたら、きっと楽しいに違いない」と考え、庭に5~6人が腰掛けられるベンチとテーブルを設置しました。

そして、庭と道路をつなぐ勝手口の扉を開け、自分たちが庭仕事をしている間は「どうぞご自由にお入りください」という看板を立てたのです。

さらに、毎週1回は「おしゃべり会の日」と決めて、ガーデニング好きの人が集まって情報交換会を開くようにしました。

最初のうちはガーデニングに興味のある人ばかりが訪れましたが、長く続けていると、「うちはマンション暮らしで庭がありませんが、ちょっとだけお邪魔して、緑にかこまれてもいいですか」とか、「一人で家にいてもつまらないから、お庭を見せてもらおうかしら」という人もあらわれ、夫妻のお庭は、植物の話だけではなく、いろいろな話題で笑い声が絶えない明るい場所になったのです。