いま政治改革への熱気はあるか

収支の不記載は、形式犯と言えど明らかな法令違反です。しかも、政治におけるお金の流れの透明化という、政治が国民から信頼を受けるために大切なプロセスを、大きく損なうことになってしまいました。

検察の捜査結果も踏まえ、自民党として、なぜこんなことが組織的に長く続いていたのかをきちんと説明し、再発防止策も含め、国民が納得できるような対応策を前倒しで明らかにしていくことが大事だと思っています。

『保守政治家 わが政策、わが天命』(著:石破茂 編集:倉重篤郎/講談社)

再発防止策としては、パーティ券購入者の公開基準を「5万円超」に引き下げることや政策活動費の使い道を10年後に全面公開することなどが盛り込まれた政治資金規正法改正が24年6月の通常国会で成立しました。

一歩前進だとは思いますが、なんとなくこれで一段落みたいな雰囲気にならないように自民党全体で心がけていかなければなりません。特に、事務所数やスタッフの数の制限など、お金があることで有利だということにならないための仕組みを含め、幅広い議論を継続すべきでしょう。

国民は、本当に自民党が反省し、改革をしていくのかどうか、じっと見ているはずです。手を緩めてはなりません。