「生きる目的って健康に必要なんだなと、母を見て思うんです」(柴田さん)

生きる意欲が体にもたらすもの

米井 ところで、柴田さんのお母様は、要介護4の状態から要介護1まで「奇跡の回復」をされたとお聞きしました。

柴田 もともと母は長く教師として働き、定年後もお茶の先生などをしながら富山で元気に暮らしていました。それが88歳の時に腎盂炎で入院して。意識が朦朧とし、要介護4に認定されるほど体調が悪くなってしまったんです。

米井 それは心配でしたね。

柴田 はい。でも治療のおかげで、1週間後に病院へ行ったときには、私のことがわかるくらい元気になりました。それで「お母さん、いま何がしたい?」と聞いたら、さすが私の母親ですね、「家に帰って酒が飲みたい」と(笑)。

それが10月だったので、お正月に自宅でおせちを食べてお酒を飲むのを目標に、リハビリを頑張ってくれました。

米井 柴田さんのお母様は、リハビリを早く始めたのがよかったんですね。もちろん病気やケガの治療に安静は必要ですが、時には健康に悪影響を与えることもあります。寝たきり状態が長く続くと、筋肉が弱って歩けなくなることも多いですから。