レム睡眠の重要な役割

ところが最近、レム睡眠と呼ばれる脳が動いている睡眠にも意味があるということがわかってきました。たとえ深いノンレム睡眠が足りていたとしても、レム睡眠が足りていないと、長期的に見ると情緒が不安定になることがわかってきたのです。

さらに浅いノンレム睡眠についても、新しい神経組織を作ったり、記憶や技術の習得を行うなど重要な役割があることがどんどんわかってきました。

要は深いノンレム睡眠、浅いノンレム睡眠とレム睡眠の3つのいずれも必須で、バランスが取れている状態で存在するのが大切だということ。どれも欠かせません。

注意したいのは、睡眠時間が長かったとしても、これら3つの睡眠がバランスよく含まれているとは限らないということ。

深いノンレム睡眠がなく浅いノンレム睡眠がずっと続いて、睡眠時間だけは長いとうつになりやすくなります。また入眠すぐのレム睡眠が長いと、これもまたうつになりやすいとの報告もあります。

そして睡眠にはリズムが大切です。通常、入眠から30分後に深いノンレム睡眠に入ります。そして眠りに就いてから1時間ほど経つと、徐々に眠りが浅くなりレム睡眠へと移行します。

この「ノンレム睡眠→レム睡眠」の90分周期を一晩に3〜5回繰り返し、後半になるにつれてレム睡眠が増えて眠りが浅くなり目覚めるというパターンです(下図)。

<『超熟睡トレーニング: 15万人の“日本人”のデータを集め、睡眠改善をしてきた「上級睡眠健康指導士」だけが知っている』より>