農業用のビニールハウスにも

さて、この記号の密度が非常に高い場所のひとつが愛知県の渥美(あつみ)半島である。

この地域は電照菊の栽培が盛んで、農地の多くがビニールハウス(温室)で占められている。

<『地図記号のひみつ』より>

夜に光を当てて菊に「勘違い」をさせて開花期を遅らせる作戦だが、印象的なのは飛行機から眺める夜景だ。

私が最初に目撃した時には、街灯が点在するふつうの田園風景と違ってやけに明るく、無数のオレンジの光が並んでいる様子に地上で何が起きたのかと驚いたが、後で場所を確かめてようやく納得した次第である。

高知県南国(なんこく)市の土佐湾沿いも農業用ハウスがびっしり建ち並んでいて地図上では目立つ。こちらでは多くが大都市圏へ出荷されるピーマンなどが栽培されているらしい。ハウスは野菜ばかりではない。

愛知県の知多湾に面した西尾市一色(いっしき)町の地図も特異な図柄だ。ここはウナギの養殖で知られており、当地の地形図には温水養殖池のあるハウスと屋外の養殖池が多く描かれ、図からその特徴的な景観が想像できる。