それで、最初の避難先だった公民館で教わった「ちりめん人形」作りに挑戦しました。私が作った人形を見て、娘を亡くしたお母さんが、いきなり飛びついてきてね。「これ、娘だと思って大事にするからちょうだい!」と。
こんなに小さなものでも人の気持ちを癒やすことができるんだ、それならもっと作ってみよう、と一念発起したんです。
それからは、朝から晩まで夢中で人形を作りました。市議会議員をしている甥の力も借りながら、神社やお寺に500体ほど預けて、お参りに来る人に無料で配ってもらったの。
震災時に真っ先に支援してくれた台湾の人たちにお礼を伝えるためのツアーにも、頼んで持って行ってもらいました。直接感謝を伝えられたわけではないけれど、新しい人と繋いでくださる方や、人形作りのお手伝いをしてくださる方がたくさんできて嬉しかった。
自分から働きかけると、縁が繋がり、今度は自分が元気をもらう。人との繋がりや交流が、一番の健康の秘訣かもしれないわね。