子どもの頃から「どべっこ」が大好物

私は7人きょうだいの6番目。もうみんな亡くなってしまったのだけれど、晩年まで元気な人が多かったですね。一番上の姉は亡くなる直前までシャキシャキ歩いていたし、2番目の姉なんかは、くも膜下出血を3回も起こしたのに、100歳まで生きましたよ。

父が若くして事故で亡くなった後、当時10代後半だった兄姉たちが親戚からもらったアイスキャンデーの機械で商売を始めたの。家族を食べさせるために、親代わりに必死に働いてくれたんです。そのうち果物なんかも扱い出して、最盛期には350人もの社員を抱える、食料品の卸しやスーパーも手掛ける大きな会社に成長しました。

母は子どもたちの裏方に回り、何もいわずにせっせと家事をしてくれて。私は幼かったから、そんな時でも遊んでばかり。小学校では陸上、女学校ではバレーボールをしていました。運動が大好きだったんです。家に帰ったら、母が出してくれるものを食べる。「とにかく食べることが大事」と母はよくいっていましたね。

子どもの頃からずっと飲んでいるのは甘酒です。地元の酒蔵「酒造」の酒粕で作るどべっこ(甘酒)が大好物。どべっこは体にいいと聞くから、あれがよかったのかもしれないわね。今でも飲んでいるのですが、毎年、春頃にしか売り出されないから、年中飲めるわけではないんです。

でも今年の夏、知り合いが酔仙の酒粕を使って自分で作ったどべっこを持ってきてくれたの。びっくりして、これどうしたの? って聞いたら、酒粕を自分で冷凍保存しているそう。なるほど! と目から鱗。来年から真似をしてみたいと思っています。