歯磨きは1日5回、起床直後、朝食後、昼食後、ディナー前、そして寝る前に。ディナー前に磨くのは、会話を楽しむ際のエチケットのほかに、味覚をシャープにしておきたいという目的もあります。

歯のエナメル質を削りたくないから、研磨剤は限りなくゼロに近いものをチョイス。歯磨き粉だけでも4種類くらいあって、毎回「どれにしようかな」という感じで選んでいます。

──と、ここまで話して思ったのですが、もしも誰かが僕の24時間に密着したら、「郷ひろみって、どこまで忙しい人なの!?」とビックリするかもしれませんね。『婦人公論』読者の皆さんの「毎日こんな生活で疲れないのかしら?」というつぶやきが聞こえてきそう(笑)。

でも、このように24時間365日をコントロールすることは、僕にとって当たり前のことなのです。

 

維持するのは向上しているのと同じ

僕はハードなトレーニングを日課にしていますが、決してコンサートのためだけに体を鍛えているわけではありません。常に「レディー・トゥー・ゴー」の態勢を保つには、いつでも動ける体でいるのがベストだと思うからそうしているのです。

そもそも人間の筋肉の細胞は、生まれ変わるのに3ヵ月かかると言われています。ということは、今日の運動が花開くのは3ヵ月後。「ツアーに備え、1ヵ月前からトレーニングを始めました」では遅い。だったら1年を通して動ける体にしておいたほうが、効率がよくないですか?

それと、もうずっと鍛えているので、どの程度体がしまっている時が自分にとって心地良いのか、わかっているのです。仮にコンサートがなくなっても、鍛えることはやめないでしょうね。

自分に合ったトレーニングの手法は、年齢とともに変わっていきます。40代の時と同じことを今の僕がやったら、たちまちケガをしてしまう。それを避けるためには、ちゃんとしたトレーナーについて、今の自分に合った運動をすることが大事です。

肉体は年齢とともに衰えていきますし、筋肉だってどんどん落ちていく。20代ならともかく、今からそれを向上させることは不可能です。でも、日々のトレーニングで現在のレベルを維持することはできます。落ちていくものを落ちないように維持するのは、向上しているのと同じ。僕はそこを目指したいのです。