所得税がかかるボーダーラインを表す「年収103万円の壁」という言葉に注目が集まっています。共働き夫婦にとって避けては通れない<お金の悩み>について、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんは「夫婦生活はお金がかかる。だからこそ『話し合い』や『見える化』しないと、共働きでもお金は貯まらない」と指摘します。そこで今回は、柏木さんの著書『共働きなのに、お金が全然、貯まりません!』から「ペアローン」について解説します。
「ペアローン」という選択肢も検討しましょう
ペアローンのメリット・デメリット
共働き夫婦がマンションを購入する際、住宅ローンはどちらかがパートや非正規で雇用されていて収入が不安定な場合は、無理して二人で契約するよりも一人で組むのが無難です。
一方、二人とも正社員の場合、ペアローンを組む人が今や7割を占めています。これは、夫婦がそれぞれ別々の住宅ローンを組み、それぞれが毎月の返済をする義務が生じます。
一人が固定金利で、もう一人が変動金利などと異なる返済条件で契約することもできますが、同じ金融機関で借りることが前提とされています。
事務手数料や登記手数料などは二人分かかりますが、住宅ローン控除は二人それぞれが受けることができます。控除するということは、戻ってくる税金も増えることになります。
ペアローンの審査は夫婦それぞれの年収などが審査されることになりますので、妻がパートやアルバイトよりも正社員で安定した給与のほうが審査に合格しやすくなります。
一人で住宅ローンを借りるよりも、ペアローンにしたほうが、借入可能な金額を増やすことができるので、一人では3000万円のローンしか借りられなかったのが、ペアローンにすると5000万円のローンが借りられることもあります。
これによって一人では手が届かなかった高級マンションを買うことができるようになるわけですが、これから金利が上がるとすれば、おすすめはしません。
多くの借金をするのは利息が膨らみます。背伸びしないで一人分で借りられる範囲で借りるほうがいいでしょう。